当研究室では、自然免疫に着目し、ウイルスに対する自然免疫応答や、ワクチン投与後の副反応が生じるメカニズム、がんの免疫療法、加齢による免疫システムの変化などを研究しています。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)やインフルエンザなど、ウイルスが原因となる感染症は深刻な問題です。私たちの研究室ではウイルスに対する免疫応答の研究をしています。
主な研究テーマ
・ウイルス感染に対する自然免疫と獲得免疫応答の研究
・自然免疫を利用した新しい治療薬の開発。
ワクチンは感染症の予防に大切です。ワクチンを安全に安心して多くの人が受けることができるように私たちは研究をしています。
私たちの研究室の主なテーマ
・ワクチンの副反応のメカニズム解明
・高齢者向けのワクチンの研究と開発
・副反応の無いワクチンの研究と開発
私たちの研究室では新型コロナウイルス(SARS CoV-2)に関する研究をしています。がん免疫療法の技術を使ってCOVID-19を予防するワクチンの開発などをしています。
がん免疫療法ではこれまで、がん抗原を標的としたペプチドワクチンの開発が進められています。私たちの研究室ではこの技術を新型コロナウイルスに対するワクチンの開発に応用します。従来のワクチンと比較して、化学合成でワクチンを作成できる利点や、将来生じる新たなコロナウイルス感染症の予防にも効果があると期待されます。(ここをクリック)
T細胞の抑制に働くPD-1やCTLA-4をターゲットとしたがん免疫療法は劇的な効果を示し、2018年のノーベル賞の対象となりました。しかし、PD-1やCTLA-4を阻害する免疫チェックポイント阻害剤を用いた治療は全ての患者に有効であるわけではありません。私たちの研究室では、抗腫瘍免疫の研究を続け、血液中に存在するIL-6や、可溶型のIL-6受容体が抗腫瘍免疫に強い影響を与えることを発見しました。さらに、血中のIL-6量が多いと、抗PD-1抗体や抗PD-L1抗体による治療効果が減弱することを発見しました(Tsukamoto H et al Cancer Research 2018)。このように免疫チェックポイント阻害剤が「効かない」メカニズムを解明することで、治療法を改善し、より多くの人を救うことができると期待されます。
PD-1やPD-L1を阻害する免疫チェックポイント阻害剤を投与すると、PD-1陽性の腫瘍随伴マクロファージからのIL-6の産生が増加します。産生されたIL-6はTh1細胞を阻害してしまうために、抗腫瘍免疫が上手く働かなくなります。そこで、免疫チェックポイント阻害剤と同時に、IL-6の阻害抗体を投与することで、スムーズに抗腫瘍免疫が誘導されます
熊本大学
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